神道(神社本庁)

1.神道の概要

私たちの祖先は、稲作や農耕をはじめ自然の中で生活をするうえで、自然現象に神々の働きを感じ 取りました。また、自然の中で切れ目なく続く生命の尊さを実感し、あらゆるものを生みだす生命力 も神々の働きとして捉えました。そして、清浄(せいじょう)な山や岩、木や滝などの自然物を神宿る ものとしてまつりました。やがてそのまつりの場所には、神社が建てられました。
神道の神々は、海の神、山の神のような自然物や自然現象を司(つかさど)る神々、衣食住や仕事を 司る神々、国土開拓の神々などで、その数の多さから八百万(やおよろず)の神々といわれます。さら に、国や故郷のために尽くした歴史に残る優秀な人や、私達を身守る祖先のたましいも、神として祀 られました。
神様を信じる心が形となったものがお祭りです。お祭りは、稲作をして暮らしてきた日本の姿を現 し、春には豊作を、夏には風雨の害が少ないことを祈り、秋には収穫(しゅうかく)を感謝します。

お祭りは地域をあげて行われます。神道のお祭りを行うのは神社だけではなく、皇室では、天皇陛 下が国・国民が安らかで穏やかであることや、世界の平和を祈りお祭りを行っておられます。また、 家庭では、神棚(かみだな)の前で家の安全や家族の無事を祈ります。
神道の考えには、古代から伝え育ててきた日本人の知恵や考え方が生きています。それは、鎮守( ちんじゅ)の森に代表されるように自然を守り、自然と人間とがともに生きてゆくこと、祭りを通じ て地域社会を争いが無く穏やかに保ち、一体感を高めてゆくこと、子孫の繁栄(はんえい)を願い、家 庭から地域、さらには皇室を尊ぶ日本という国の限りない発展を祈ることなどです。このような考え が、神様への信仰と一体となって神道が形づくられています。

さらに神道について学びたい方は、次のサイトを参照してください。
〇神社本庁公式サイト
【神道への誘い】(より詳細を知りたいスカウトはこちらへ)
〇お宮キッズサイト
【神さまのおはなし】(説明が難しいと思うスカウトはこちらへ)
【神社のおはなし】(説明が難しいと思うスカウトはこちらへ)

2.神道の宗教儀礼

○神前へ進む心構え
神社は神を祭る所として神聖を重んじます。神様にお参りする時は、身も心も清めて神域に入らな ければなりません。境内に入る時は服装を整え、コート等を脱いで参道を進みます。やがて手水舎( てみずや)につくと手を洗い、口をすすぎます。これは自分の身体を清浄(せいじょう)にするためで すが、身体だけが清まればよいというのではなく、手を洗い口をすすぐことによって心も清めなけれ ばなりません。そして心静かに神前に進みます。
○神前における作法
神前に至り、脱帽(だつぼう)(肘をまげ、帽子の紐を左腕にかける)気を付けの姿勢で少しの間黙 想(もくそう)をして、次に二拝(深く二度おじぎをする。座っている場合は両手を正しく両膝(りょ うひざ)の前に八字形についてお辞儀をします)。
次に二拍手。
次に一拝。
隊または班が参拝する場合には、ご神前に適当な隊形をとって整列し、代表者に合わせて拝礼をし ます。この場合、一般の参拝者のじゃまにならないよう心がけなければなりません。
中折れ帽、大会帽の場合は、左脇にはさんで拝礼作法を行います。

○野営地における拝礼(例)
所属神社の方に向かって整列、服装点検。
次に脱帽、黙想。
次に二拝。
次に二拍手。
次に一拝。
次に敬神(けいしん)生活(せいかつ)の綱領(こうりょう)唱和。
次に歌。
次に講話。
野営地では、代表者に合わせて全員で行います。
敬神生活の綱領
一、神の恵みと祖先の恩とに感謝し、明き清きまことを以て祭祀(さいし)にいそしむこと
一、世のため人のために奉仕し、神のみこともちとして世をつくり固め成すこと
一、大御心(おおみこころ)をいただきてむつび和(やわ)らぎ、国の隆昌(りゅうしょう)と世界の共存
(きょうそん)共栄(きょうえい)とを祈ること
解説
一、神さまのいつくしみと祖先のご恩とをありがたく感謝して、明るいすがすがしいまごころで、お祭りにはげむこと。
一、社会のため人々のために奉仕(ほうし)をし、神さまの御心(みこころ)を承(うけたまわ)って、それを実現させる者であるとの自覚を持って、世の中をより良くしていくこと。
一、天皇陛下が昔も今も、皆の平和を祈って居られるその御心をいただいて、むつまじく和やかに一つ心となって、わが国と世界中の繁栄(はんえい)をめざしていくこと。
さらに神道の参拝方法やお参りの作法について学びたい方は、次のサイトを参照してください。
〇神社本庁公式サイト
参拝作法
〇お宮キッズサイト
神社へ行こう】(より簡単なお参りの作法です)

3.宗教章について

神道章の授与基準について <神社本庁(昭和42年7月13日承認)>
教化部教化課 全国神社スカウト協議会
8. 登録完了の1級以上のボーイスカウト、ベンチャースカウト及びローバースカウトであること。
9. 敬神生活の網領を暗誦でき、その主旨を理解すること。
10. 本宗について説明できること。
11. 自分の所属している神社について知ること。
御祭神名 由緒 祭日
12. おもなまつりの意味と行事について知ること。
13. のりとの奏読法と参拝作法ができること。
①祓詞 参拝詞 神棚拝詞 祖霊拝詞
②拝礼の作法ができること。
14. 神社と地域社会のため奉仕すること。
15. 敬神崇祖についての実践記録を提出すること。
16. 宗派の信仰に基づき、地域社会及び寺院のために奉仕すること、又奉仕記録を提出すること 。