高野山真言宗

1.高野山真言宗の概要

宗派の名称:高野山真言宗(こうやさんしんごんしゅう)〔本山 総本山金剛峯寺(こんごうぶじ)〕
本山の所在地:和歌山県伊都郡高野町高野山132番地
本尊の御名:大日如来 (御真言 おんあびらうんけんばざらだとばん)
宗派の根本経典:大日経、金剛頂経
宗祖の御名:弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい) 〔御宝号 南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)〕

真言宗は仏教の一宗派です。釈尊がお説きになられた仏教には厳しい修行を積んだ者だけが救われると説く上座部仏教と、万人が救われると説く大乗仏教とがあり、この大乗仏教がインドから中国に伝わり、日本に伝来しました。大乗仏教のうち平安時代初期に唐に渡った弘法大師が長安にある青龍寺の恵果和尚(けいかかしょう)から金剛界、胎蔵の両部の曼荼羅をはじめとする密教の教えを伝えられ、それを日本にもたらし、弘められました。
大乗仏教は顕教(けんぎょう)と密教(みっきょう)とに分けられます。大別すると仏さまの説かれた真理は言葉として理解できると主張するのが顕教であり、大別して真理は深遠で言葉を超えた体験的なものとして理解できると主張したのが密教です。密教は「秘密仏教」の略称であり、真理は修行体験を通してのみ体得できる深遠な教えであることから秘密といい、真理そのものを直接に体得する教えこそが密教です。
では真理そのものを直接に体得するためにはどうすればよいのか?「生きたままこの身このままで仏(真理を体現した存在)になれ」と説く教えこそが密教、真言宗の教えの根本であり、これを即身成仏(そくしんじょうぶつ)といいます。密教では「身口意の三業(しんくいのさんごう)」において仏をまねることにより誰もが仏になれると説きます。業(ごう)とは行いのことであり、手に印契(いんげい)を組み、口に真言を唱え、意(こころ)に自分と仏とが一心同体となった状態を瞑想することで仏と成るのです。この仏をまねた行いは業ではなく「密」と呼ばれ、「身口意の三密(さんみつ)」となります。
このような真言宗の密教ではこの世のすべてが大日如来の現れであると考えています。働きは使命の違いによって数多くの仏さまがおられますが、根源的には大日如来にたどりつきます。したがって真言宗の本尊は大日如来です。大日如来とは宇宙の真理を意味する仏、真理そのもの〔法身仏(ほっしんぶつ)〕である、真理そのものが直接衆生に教えを説くと解釈します。
この大日如来の説法は、風にも、川のせせらぎにも、鳥の声にも聞き取れるものとして、私たちの身の回りのすべてが大日如来の大生命のあらわれとして受け取っていくべきものです。

・宗祖弘法大師空海さまの誕生と歴史について知りたい方はこちらをご覧ください。(外部リンク:高野山真言宗総本山金剛峯寺HP 弘法大師の誕生と歴史)
・高野山真言宗について知りたい方はこちらをご覧ください。(外部リンク:高野山真言宗総本山金剛峯寺HP 高野山真言宗とは)

2.高野山真言宗の宗教儀礼

◎高野山真言宗教儀礼次第

  1. 先 合掌礼拝
  2. 次 三信条
  3. 次 般若心経
  4. 次 光明真言
  5. 次 大師宝号
  6. 次 回向
  7. 次 合掌礼拝

・各次第の内容についてはこちらを参照してください(PDF)
・檀信徒のお勤めと作法についてはこちらご覧ください。(外部サイト:高野山真言宗総本山金剛峯寺HP 檀信徒のお勤めと作法)

3.宗教章について

(1)高野山真言宗の授与基準について
<高野山真言宗(昭和53年4月承認)>
高野山真言宗スカウト連絡協議会

1.登録完了の1級以上のボーイスカウト、ベンチャースカウト及びローバースカウトであること。
2.釈尊の伝記と教えについて述べよ。
3.仏旗と仏教章の意義を知ること。
4.宗派の名、本山の寺号と所在地、本尊の御名、宗祖の御名を知ること。
5.宗祖の伝記について述べうること。
6.礼拝作法を知り、実際に行いうること。
合掌の仕方 念珠の持ち方 焼香の仕方
7.仏壇の荘厳法を知ること。
8.家庭勤行のできること。
9.仏教讃歌を歌えること。
10.仏教行事の意義を知ること。
修正会 涅槃会 彼岸会 正御影供
花まつり 宗祖降誕会 盆会 成道会
11.真言宗教義の概要を述べること。
12.報恩感謝の生活への実践記録を提出すること。
13.真言宗の信仰に基づき、地域社会及び寺院のために奉仕すること。